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自閉症児に構造化!TEACCHの7原則と家庭内療育での活かし方

自閉症の子を対象とした包括支援プログラムTEACCHをご存知ですか?

自閉圏の子どもたちは視覚優位なお子さんも多いです。

それより何より、みんながわかりやすい「構造化された」ものは自閉症児にだってわかりやすい。

 

息子は視覚優位ではなかったのですが、もれなく(笑)効果的だったのでご紹介します。

 

TEACCHとは

Treatment and Education of Autistic and related Communication handicapped CHildren」

の頭文字をとって名づけられたもの。

アメリカ・ノースカロライナ州で実施されている、自閉症等コミュニケーションに障害のある子供達やその家族への包括的対策プログラムの名称です。

 

構造化された環境で認知発達を促す訓練をするというコンセプトにしたがって行われ、不適切行動に焦点をあてるのではなく、適切な技能を発達させることが目的です。

包括支援プログラムということから「ABA(応用行動分析)」や「PECS(絵カードコミュニケーション)」も自然と入ってきます。こちらについても知っておくとより理解が深まるかもしれないですね。

 

 

TEACCHー7つの原則

1. 子ども達の適応力を向上させていく
2. 療育に対して親が共同治療者として協力する
3. 教育プログラムはそれぞれの診断と評価に基づいた、個別的なものでなければならない
4. 構造化された教育を行う
5. 子ども達のスキルを効果的に向上させるとともにそれぞれの欠陥をそのまま受け入れる 欠陥を認識し、子どもの適応を向上させていく
6. 認知理論と行動理論を組み合わせて使う
7. 療育者はジェネラリストでなければならない

 

 

TEACCHといえば構造化

構造化ってなんでしょう

実は私たちの日常でも駅や、公共施設などたくさんの人が出入りするようなところは当たり前に構造化されていて、ぱっと見て「自己判断・行動」ができるように整えられています。

 

そう、構造化とは、

  • 何をすべきなのか
  • どうすべきなのか
  • いつのことでいつまでに終わらせるのか

視覚支援も用いながら情報を整理し、わかりやすい環境を整えるというもの。

たくさんの情報が「それが一体何」で「それをどうすべきなのか」もわからないまま、一気に頭の中へ入ってきたら、私たち大人でも処理しきれずに混乱してしまいますよね。

自閉症の特性を持つ子供たちはきっと日常がそんなことの連続なんじゃないかと思うほど、構造化し整理することによって安定します。

 

物理的構造化

 

環境空間の構造化

家具などの配置の工夫、このお部屋は「〇〇をする部屋」「ここは〇〇をする場所」というように場所や場面を、視覚的に理解しやすいように整えます。

ワークエリア(お勉強スペース)とプレイエリア(遊ぶスペース)を明確に分けることや、ついたてやカーペット等でスペースを区切り、余計な刺激を極力減らしてあげるというのも大切です。

同じ場所を多目的に使わないことで「ここですべきこと」がわかりやすくなり、混乱や不安を減らしてあげられるだけでなく、落ち着いて活動に取り組むことができるのです。

 

視覚支援による構造化

色・絵・文字・写真などを使って指示をすることで、自ら理解・判断につなげていけるよう支援します。

1日のスケジュール、1週間~2週間程度のスケジュールを提示するというのも、自閉症の子どもたちにとっては先の見通しが立てられてわかりやすいです。

ABAにしてもTEACCHにしてもいつでも支援を減らしていけること、というのが実は重要で「自分で判断できる」というところから自発的な行動へつながり、いずれは支援を少しずつ減らしていくことを目標とします。

ですから、こちらの一方的な押し付け、抑圧にならないように「自分で選択すること」や「絵カードをいつでも取り出せて、自分で使用できるように教える」ことを同時に行っていきましょう。

絵カードの提示は左→右/上→下で統一していくようにします。

 

絵カードはいつもこちらにお世話になっています。

ザ・プロンプト

ダウンロードして写真L版で印刷→裏にマグネットを付けたらすぐに使えますよ~

家にあるものをスマホで撮影→簡単に絵カードにできるのも魅力です。

とっても使いやすかったらボードなどセットで購入もいいかもしれません。

 

 

時間の構造化

予定をわかりやすく提示、視覚化してあげることで理解が深まり、見通しを立てることができるようになります。

自閉症の子どもたちは「何をすればいいのか」「これから何が始まるのか」「いつ終わるのか」など予定がわからないということにとてもストレスや不安を感じると言われています。

フリーの何もない時間を設定してしまうと、「何をすべきか」がわからなくなって、不適切行動につながる場合があるので、スケジュール表にも時間を明確にすること、空いている時間には「お楽しみの活動」を挟んであげると、より前向きに取り組むことができます。

 

ルーティンによる構造化

これは自閉症の子どもたちが得意とすること。

決まった習慣であったり、作業の手順など上手くこちらが寄り添ってあげることで、生活や行動をルーティン化させて安定して物事を進める手助けをすることができます。

時としてルーティン化したら困ること、ルーティンを崩せないということもあるので個々に対応していく必要はありますが、悪い方に捉えるよりも得意なことを活かす方へ持っていく方が経験上、生活は楽になると思っています。

 

TEACCHの目指すところ

もちろん、最終的に目指すところは「自立・自律」です。

構造化はあくまでも目が悪い人が眼鏡をかけるようなもの。

前が見えていなければ不安ですし、他者との関りもためらうのは当たり前ですよね。

自閉症の子どもたちの頭の中では、そんなことが起こっています。

なので、構造化により不安や混乱をなくすことで活動に専念できるようにしていきましょう。

 

まとめ

私たちは日常生活の多くの場面で、今までの経験から想像し、それを応用して生活しています。

自閉圏のこども達は周りの状況を見て察する、想像して応用することや優先順位を付けることが難しいのですが、何事もわかりやすく提示してあげることによって、自己判断・理解をします。

そして自立を促し、QOL(生活の質)を上げていくことができます。

構造化をすると、環境や手順が変わることによる、混乱が少なくなるので般化もしやすく、支援者が変わっても対応が可能になるんです。

 

息子を見ていても

  • 全体を捉える
  • 全体の中で把握する

というのが、なかなか難しいので構造化によって整理されると、とてもわかりやすいようです。

わが家の場合、TEACCHは知っていたものの息子が聴覚優位のため「視覚的にわかりやすくすること」でわかりやすくなるだろうくらいにしか思わず、本格的に取り入れるまでに随分と時間がかかりました。

それでも、始めてみてその効果に驚き、TEACCHの本当の力やこのアプローチの重要性に気が付くことができました。

TEACCHを行っている実感として、脳内のタスクを全て取り出してボード上で整理しているような、そんな感じです。

やらなければいけないことが「どれだけ」あるのか視覚化で明確にし、時間も決めて配置していく。

それは、まだ小さな子どもが頭の中だけでは計算できずに何度も絵や図を描いて紙の上でその数を操作して計算していく手順と似ている気がします。

全てを取り出して見えている中での操作はわかりやすいですからね。

 

 

情報や生活をシンプルにすることで、子どもたちも含め家族みんなが楽になる=支援される側も支援する側もQOLが向上するというのが構造化のメリットだと感じています。

 

理解しやすくなることによって、混乱が減り、安定した生活を送ることができるようになる→
安定した生活の中から自立へ向かうことで自尊心をも育てていくことができるのです。

[st-kaiwa1]構造化を生活を支援するツールとして家庭で取り入れられるようになると、生活の場がそのまま療育の場になるのでおすすめです。[/st-kaiwa1]

 

もっと詳しく知りたい方へ>>

文字も多いのですが情報もとても多く、TEACCHだけでなく自閉症の特性についても書かれているので、何をどうしたらいいのかわからない…という方にもおすすめ。

写真もたくさん使われていてイメージがしやすく、家庭や教育現場でもすぐ実践に役立つ内容です。

 

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うみ
シンプルに心のゆとりを目指す二児の母 「発達障害・自閉症児」の子育て記録