子どもの発達

言葉の遅れ・言葉が出ない原因と言葉の発達の土台とは?

1歳を過ぎたくらいから徐々に言葉を話す子が増えてきて、2歳頃になると言葉の発達は特に個人差が大きく見られるようになってきます。

その頃になると「言葉が遅いな」「言葉は出てるけどなかなか増えない」「もしかして発達障害・自閉症なのかな?」と不安になるパパ・ママも増えてきます。

3歳くらいから急に喋り出す子も結構いるので、周りはそうした見聞きした話をもとに「まだ大丈夫だよ」とか「男の子は遅いって言うしね」「気にしすぎだよ」と、ある意味、無責任に「大丈夫」だと言います。
もちろん安心させてあげたい、不安を減らしてあげたいという善意だということはわかります。

でも、そうじゃなかった場合の時間の損失を考えると安易に大丈夫だと言ってしまうのも考えものです。
「言葉が遅いな」と思った時にどんなところを注意して見ていけばいいのか…
そのポイントを障害児を育ててきた親目線でお伝えします。

言葉が遅い…基準は?

言葉の発達の目安が以下になります。
目安ですが、ここをクリアしていない場合はしっかりと様子を見ていくことが大切です。

  • 1歳半で3単語以上獲得できていること
  • 3歳までに2語文が出ていること
    (「お茶・ちょうだい」「ママ・あそぼ」など)

1歳半検診では他に指差しも目安として見られます。
指差しにも重要な意味があり、「りんごはどれ?」などと聞いて言葉を理解し、コミュニケーションの手段として使うことができるかどうかという発達の度合いを見ています。

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言葉が遅い…原因は?

言葉が遅いと一言で言ってもその原因として考えられることは多々あります。

  • 言葉を溜め込んでいる(一気に喋り出すタイプ)
  • 体の機能発達の問題(口内や肺の機能など)
  • 聴覚の問題(聞こえが悪そうなら検査を)
  • 脳に障害がある(言葉の獲得が難しいタイプ)

大きく分けると

  1. 乳幼児期には遅れていたが、成長するにつれて問題なくなるタイプ
  2. 脳や発達に問題があり、支援が必要なタイプ

この2つに分かれていきます。

言葉の発達5つのステップ

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言葉の発達には5つのステップがあります。

  1. 泣く
    →不快を表現
  2. 喃語(あー、うー)
    →口や肺など体の機能の発達
  3. 指差し
    →認知機能の発達
  4. 1語文
    →言葉の獲得
  5. 2語文
    →言葉の使用

このステップを元に発達していき、言葉を自分のものとして操ることができるようになります。

ここまでは「言葉の遅れ」と「言葉の獲得」について。
ここからは、その上の大切な「言葉を話す」ということについて解説していきます。

言葉を話すための基礎

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言葉が遅いかな?と感じた時に、ただ言葉が出れば良いと言葉の獲得のみにフォーカスしてしまいがちですが、言葉の基礎を知っていると言葉を話す上で大切なことが何なのかが見えてきます。
言葉の基礎を知ることで、どこを気を付けて見ていけば良いのかがわかるようになりますよ。

言葉を話すための4つの機能

言葉を話すためには、物を認知し、意味を理解し、言葉を自分のものとしなければなりません。

言葉の獲得から言葉の使用へ

  1. コミュニケーション
  2. 外界や自分を認知する
  3. 考える
  4. 行動を調整する

この4つの基礎が整って初めて「言葉を話す」(言葉の使用)ということにつながります。
だからこそ、まずは発語自体よりも指差しで自分や物の認知ができているのか、「コミュニケーションをとろうとしているかどうか」が重要になってくるのです。

 

コミュニケーションが成り立つためには

言葉を話すための4つの機能のうち、コミュニケーションについて見ていきましょう。
コミュニケーションが成り立つためには3つのポイントがあります。

  • 話を聞く
  • 気持ちのやりとり
  • 役割の交代

「話を聞く」というところで見ていきたいのは自分からコミュニケーションに向かうということ。
それから自分の気持ちを伝える・相手の気持ちを受け取るというやりとり。
そして、一方的ではなく「聞く」「話す」の役割を交代できること。

この3つのポイントを見て「コミュニケーションが成り立っているか」の判断にしていきます。

物の認知

発語のためには物には名前がある・人には呼称があるということを知る必要があります。
普通の子どもであれば、コミュニケーションを通して認知の部分も発達し、どんどん言葉を獲得していきますので問題ありません。

たとえ、発語が遅くても「ん!」と言ってパパやママに「これは何?」と教えてくれるように要求ができますし、空のヘリコプターを指差し「あーヘリコプターだよ」と教えてもらう機会がたくさんあります。

こうしたやりとりができている場合、アイコンタクトでコミュニケーションをとれる場合には言葉が遅いだけで、言葉自体をどんどん溜め込んでいっているという可能性は高いと思います。

聞こえが悪いとき

聴覚に関して「聞こえが悪そう」「読んでも振り向かない」など、心配があれば一度確認をした方がいいかもしれません。
難聴も全く聞こえない状態のものから音は聞こえるけれど言葉が聞き取れない、聴力によって低めの音は聞き取りやすいなど様々です。

難聴があると言葉の遅れが見られることもありますし、中には自閉症の症状とかぶるようなものもあります。
1歳半検診の検診項目にもあるので少しでも不安がある場合には相談しておきましょう。
相談の上、必要があれば早期に聴力検査を受けることで早めの対処にもつながります。

発語よりも大切なこと

ここまで見てきて言葉の発達や「言葉を話す」ために必要なことが何なのか…は理解していただけたと思います。
やっぱりかわいいわが子の言葉が聞けるというのはそれだけでとっても嬉しいのですが…

発語のその先を見据えて家庭ではサポートしていってあげてほしいなと思うのです。
発語のためにABAで言葉を教えていくことはできます。
ただ、言葉の基礎の部分を同時に育てていかないと、言葉は話すけれどコミュニケーションは成り立たないような、なんとも機械的な会話になりがちなんですよ。

うちの息子もABAのセラピーで自己紹介ができるようになりました。
まだ年中さんくらいの頃です。

「お名前はなんですか?」

「〇〇です」

「何組ですか?」

「〇〇組です」

「好きな食べ物は?」

「バナナです」

こんな会話風のことができるように。
確かに喋ってる姿はかわいいんです。親だから嬉しいんです。
でもね、そこに息子らしさはないし、バナナ以外の答えは無いし、「じゃぁ好きな動物は?」なんて教えられてないから一切答えないんです。

できるようになるのはこういうことなんです。たいていの自閉っ子の場合。

話せても「伝えたい気持ち」が乗ってない。
指差しがどれだけ大切か。

コミュニケーションが言葉を話すための基礎なんですよね。
そこを育まずに教えても発語であって「会話」にはならない。

ABAで教えること、発語だけでもできるようになることは、いつもそばで応援している共に頑張っているパパ・ママのモチベーションUPにもつながりますし、決して悪いことではありません。

発語のためのサポートもしつつ、家庭でできるサポートをしてあげると言葉を話す日も近いのではないでしょうか。

家庭でできること

28703 / Pixabay

コミュニケーションで言葉を話すための基礎作りをしていく。
家庭で、まずは1対1での信頼関係をしっかりと築いていくこと、絆を深めて安心してやりとりができる基盤をつくりコミュニケーションの楽しさを育んでいきます。

子育て実況中継

わたしがオススメするのは「子育て実況中継」

簡単でなおかつ効果は高いです。
息子で実証済。

やり方はそのままですが、

  • 起きた出来事を話す
  • 子どもの気持ちを代弁する
  • 見つけたものを指差しと共に話す

実況中継といっても何も古館さんのような実況でなくて構いませんw

割といつもの口調で大丈夫です。
例えば、おやつのケーキを半分こにして食べるということなら…

  • ケーキ、ママと半分こで食べようね
  • 包丁で切るよーチョッキン
  • こっちは〇〇ちゃんの分
  • こっちはママの分
  • 苺とクリーム美味しそうだね~
  • いただきまーす
  • おいしいね~
  • 甘いね~

こんな調子です。
ちょっと鬱陶しいですか?w

もう当時はよく喋ってました。
息子といる時は今もかもしれませんが。

小さい頃で言うと指差しもすっごく増えましたし、その後、今もですが毎日こうして喋っていると必然的に同じ言葉でも聞く回数が増えるので定着しやすいかな?と個人的には感じています。

上手く発音できなくても直さない

例えば「パトカーだね~」と言った時に「はぽかー」と言ってくれたとします。
原因は機能的な問題も考えられますし、聞き間違い、言い間違いかもしれません。
理由は何であれ、わたしはその場では直しません。

どんな言葉であっても「そうだね~かっこいいね~」だったり「上手に言えたね~」と共感認める
このどちらかで返します。

なんせ毎日こんな実況中継してますから、直す機会なんていくらでもありますし、意図的につくることもできます。
初めに言ったように「コミュニケーションって楽しい」この気持ちを育むのが大切。
「伝えたい」気持ちが言葉に乗ってくるようになれば、どんどん言葉を引き出すきっかけになるんです。

雑音を消す

TVやラジオ、音楽などなるべく雑音は排除するようにします。

  • 音を減らして言葉を聞き取りやすくするため
  • 自閉症児の特性として全ての音を同じボリュームで聞き取ってしまったり、ひとつの音に集中するのが難しいため
  • 刺激を受けて注意が散漫になってしまうため

環境を整えるという部分になります。
「子どもができない」環境はまず変えていく、そこから始めていきます。

体を動かしながら話す

EME / Pixabay

体を動かしながら言葉を話すことで、ただ話しているだけの時よりも神経や脳が活性化され、記憶が残りやすくなるんだそうです。
血液循環も良くなり、脳へ運ばれる酸素量も増えますから単純に脳が活性化し学習能力が高まるということですね。

子どもの場合、じっとしているというのがそもそも難しかったりするので、ぜひ遊びの中でたくさん親子ならではのお話を楽しみましょう。

まとめ

いかがでしたか?
言葉の発達、その基礎を知ることで何に注意し、どんな風に発達を促していけば良いのかわかったのではないでしょうか。
遊びや応用は無限にあり、お子さんの成長の可能性は無限大です。

家庭でできること、家庭でしかできないことがたくさんあります。
ひとつひとつ成長していく子どものその過程を近くでずっと見守っていけるのはパパ・ママの特権です。
早期の療育は大きな改善につながります。
家庭での関わりをちょっと丁寧に。

大好きなパパ・ママだからこそできる「コミュニケーションって楽しいよ!」を教えてあげてくださいね。

 

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うみ
シンプルに心のゆとりを目指す二児の母 「発達障害・自閉症児」の子育て記録