特性

自閉症児が季節の変わり目に荒れてしまうのはなぜ?原因と対処法

季節の変わり目、気温のアップダウンが激しく普通の大人でも体調を崩しやすいですよね。
今の時期、特に気を付けて見てあげたいのが自閉症児のお子さんの様子です。

不快な気持ちを伝えたり、自分で対処するのがまだまだ難しい子どもたち。
季節の変わり目に体調を崩したり荒れてしまわないように、なるべく周囲が気付いてお子さんに声を掛けてあげることで、一緒に対処できるようになっていくといいですよね。

そんな季節の変わり目に起こりやすい問題と対処法をお伝えします。

自閉症児は体温調節が苦手

自閉症や発達障害の子どもの特徴として体温調節が苦手なことが多いです。
すごく暑い日や寒い日ももちろん、注意が必要なんですが季節の変わり目は特に一気に気温が上がったり、逆に一気に気温が下がってしまうこともあり、疲れも溜まりやすくなってしまいます。

自分で上手く伝えることができない子も、とても多いので周囲で気を付けていきたいですね。

体温調節が苦手な理由

体温調節が苦手な理由はいくつかあります。

  • 自律神経の発達が未熟
  • 感覚の特異性によるもの
  • 自分で衣服などの調節ができない

ひとつずつ見ていきますね。

自律神経の発達が未熟

自閉症や発達になんらかの遅れがある場合、自律神経にも発達の遅れが見られることがあります。

自律神経の発達が未熟だと、「汗をかく機能」が上手く機能せず自分で体温を調節することが難しくなってしまいます。
自閉症の子であまり汗をかかない子はとても多く、汗をかかないと体内に熱がこもってしまうため一気に体温が上がってしまいます。

そうなると、気温が高すぎなくても一気に気温が上がり、その温度差が激しいと体温調節ができずに熱中症のような症状が出てしまったりするのです。

感覚の特異性によるもの

自閉症や発達障害のお子さんに感覚の特異性(過敏・鈍麻)があることはこちらで書いています。

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感覚過敏=過剰反応だったり、感覚鈍麻=低反応だったりすると、体感する温度に対して過剰な反応・低反応を示す場合があります。

過剰反応の場合はそんなに暑くなくても、すごく暑く感じてしまったりするので、少しの気温の変化に弱く体が思うようについていかなくなってしまいます。

低反応の場合だと、そもそも暑さや寒さを感じにくくなってしまうため、暑いと感じることもなく気が付いた時には熱中症になっていたり…なんてことになってしまうのです。

自分で衣服などの調節ができない

自閉症や発達障害のお子さんは自律神経が未熟だったり、感覚の特異性によって気温を感じ取ることが難しかったりすることは上に書いた通りです。

それに加えて、「自分で訴えること」が難しいので、たとえ暑い寒いと感じたとしても周囲に自ら伝えるのは難しいのです。
また、衣服のこだわりがあったり、感覚過敏で靴下や帽子など身に付けるのが苦手だったり、自分で着脱が難しいこともあります。

周囲の人ができること

自閉症児の場合、自分ではどうすることもできない理由もありますので、周囲の人の助けが必要です。

季節の変わり目では、こまめに体温を確認する(おでこや体に手を当てるような確認でいいです)ようにしたり、気温がぐーんと上がったり下がったりしたときには、衣服の調整をするように声掛けしてみましょう。

暑い時期は水分補給を多めにしたり、連続してずっと遊び続けたりすることのないように休む時間をつくります。
保冷剤や濡れタオル等で体を軽く冷やすようにしてあげてもいかもしれません。

寒い時期は、衣服での調節ももちろんですが軽い運動をしたり、湯たんぽを活用してみるのも優しい温かさでおすすめです。

できるだけ周囲の人が気にかけて、声掛けをしていってあげることで気温の変化によるイライラや体調不良も減りますし、快適に過ごすことができます。

季節の変わり目は何かと行事が多い

季節の変わり目、気温のアップダウンも激しい中、節目になっていることも多く行事が割とあるのもこの時期です。
自閉症や発達障害のあるお子さんにはちょっと負担の多くなる時期なので、幼稚園や学校ではなるべくこまめな休憩や適切な対応が求められます。(「頑張ればできるから」といって頑張らせ過ぎないことも大事です)

では、どんなことに気を付けていくといいのか季節ごとに見ていきます。

冬~春は卒業式・入学式

冬の寒さが緩んで暖かくなったかな?と思ったら一気に気温が下がったり…
そんな中、卒業式(卒園式)の練習や「卒業生を送る会」などでの出し物の練習が入ってくることは珍しくありません。
こうした全体で動いていく活動はずっと行動を周囲に合わせることや、姿勢の維持が必要になりとても大変なものです。

たくさんの人がいる中では、いつもと違う雰囲気もあるので、どうしたらいいかわからず不安になって疲れてしまったり(ショッピングモールや全校集会なども同じ理由で苦手な子は多いと思います)、感覚過敏で目から入る刺激の多さにめまいのような症状が出てしまったり、たくさんの音がガヤガヤと大きく聞こえるために疲れてしまう…なんてこともあります。

人混みの中にいるということは、多くの自閉症児の場合それだけでも普通の人の何倍も疲れてしまうんです。

対処法

  • 卒業式などは、練習のうちから予定を提示
  • イヤーマフなどを効果的に使う
  • 必ずこまめな休息を挟む
  • 歌や言葉の練習は個人で練習する時間を多くする
  • できれば全体練習の時間は少なくする

春~夏・夏~秋の運動会は苦手な子が多い

運動会、これも自閉症や発達障害のお子さんでは練習から本番にかけて、負担の多いイベントです。
まず運動会の時期は練習の間も非常に暑いことが多いです。
これは春開催でも秋開催でも同じです。
体温調節が苦手で体調を崩しやすいのは上に書いた通り。
学校や幼稚園の先生とも話し合い、体調管理はしっかりとしていきたいところです。
たまに「あとちょっとで休憩だから」と頑張らせる先生がいますが、特性上や機能発達の遅れもある子どもたちなので絶対に避けてほしいですね。

それから、入学・卒業式のところでも触れましたが、人が多いこと、周囲に行動を合わせ続けなければならないことは自閉傾向にある子どもたちにとってとても大変なこと。
運動会はさらにたくさん体を使って動くため、体の面での疲れも大きいですし、運動会での曲やピストルの音はとても大きく、感覚過敏のあるお子さんにはとてもつらいものです。

対処法

  • その日の練習の予定を提示する
  • 暑い時は水分補給を多めにして涼しいところで待機させる
  • こまめに休息をとる
  • 練習ではピストルを使わないようにしてもらう
  • イヤーマフなどを効果的に使う
  • できれば室内での個別練習にさせてもらう

梅雨と9月の長雨は気圧の変化に注意

梅雨といえば雨の季節ですね。
むしろ雨といえば梅雨!くらいに認識しているものですが、実は年間では9月の雨量が一番多く、台風も8月~9月にかけてが一番多いんです。

雨が降る=低気圧です。
低気圧がくると体調を崩してしまう…というのは普通の人でも割といるかと思います。
自閉症・発達障害の子どもたちはこうした「変化」にとても敏感な子どもたちなので注意が必要です。

てんかんや喘息があるお子さんの場合は発作が起こりやすくなりますので、周囲に伝えて様子を見ていきましょう。

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対処法

  • 疲れていたり頭が痛かったりしないか確認し、必要であれば休ませる
  • 絵カードなどでいいので不快な気持ちを表現できるように教える
  • 天気・気温・症状を簡単に記録しておく(どんな症状が出やすいかわかるようになります)
  • めまいや頭痛がひどい場合、薬が効くこともあるので(必ず)主治医に確認をする

秋~冬はクリスマス・年末年始とイベント続き

 

クリスマス頃からさらにグッと冷え込み、インフルエンザもピークになる時期です。

それだけでも体調を崩しやすいのは間違いないのですが、それに加えてクリスマス、年末年始とイベント続きになるので食事や睡眠も乱れやすいです。
人混みへ行く機会も多いので、帰省や初詣などどうしても負担が大きくなります。
イレギュラーなスケジュールになってくるので、見通しが立てられないと不安になってしまう子どもたちにとっては「いつ、誰と、どこで、何をするのか、いつ終わるのか」がわからないと不安は増すばかり。
なかなか、簡単にはいきませんが、少しでも不安を取り除いてあげることで親子ともに過ごしやすくなりますので、考えていきましょう。

対処法

  • スケジュールを提示する(ざっくりでも無いよりはいいです)
  • できれば、帰省や初詣など混む時期を避ける
  • 睡眠・食事は気を付けてコントロールする
  • 人混みではイヤーマフを効果的に使う
  • ゲームやイヤホンで音楽を聴いたりなど、没頭できるものを用意しておく

終わりに

いかがでしたでしょうか?

周りも、その対処に追われ大変になってしまうこともあるのですが、慣れてしまえばそんなにどうってことはなくて、担任の先生にもこまめに特性や対処法(こうしてほしいという要望)を伝えておくことで、親子ともに生活の負担が減っていきます。

我慢すれば、とか気合いでなんとかなるものなら子ども本人もこんなに苦しい思いはしていないと思うので、周囲が理解し安心して取り組めるような環境の整備をしてあげることが大切です。

結果的には荒れやすい、体調を崩しやすい時期でも、子どもが安定してくれれば親の方も楽になるんです。
そして安定した気持ちと環境の中で学習できることは子どもの成長につながります。

頑張らせ過ぎて負担の大きいまま、体調を崩したり荒れてしまっては学習できるものもできなくなり、せっかくの成長の機会を逃すだけでなく「学校へ行きたくない」「学校で暴力的になる」など他の大きな問題となってしまうこともあります。

特性を正しく理解して安定した生活ができることが、子どもの自立への一歩なんじゃないでしょうか?

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うみ
シンプルに心のゆとりを目指す二児の母 「発達障害・自閉症児」の子育て記録