前回の記事でも触れたバイオメディカル治療について、試してみた上での見解をシェアしていきますね。

Contents
バイオメディカル治療ってなに?
まずはバイオメディカル治療について解説していきます。
自閉症児のバイオメディカル治療では、血液検査や便検査を主に行います。
その検査結果をもとに、必要な栄養素・足りていない栄養素を摂取したり、不要なものを取り除いたりしていく治療法。
日本でもそうした治療に取り組む病院もたくさん出てきており、面倒な検査も代行できるようになってきているようです。
ただし、そういった検査や治療は保険がきかないことも多く、検査にしてもサプリメントにしても自費で払うため、高額になることが非常に多い治療ということを覚えておいてください。
オーソモレキュラー(分子整合栄養医学)
バイオメディカル治療について調べてもらうとわかるのですが(調べなくても、こちらで解説します)、この「オーソモレキュラー」という言葉がよく出てきます。
このオーソモレキュラーというのは、分子整合栄養医学といって、栄養素と食事による治療法で、代替療法のひとつです。
投薬に頼らずに根本治療をしていこうというもの。
この代替療法というのは、自閉症・発達障害児に関連するところで言うと、GFCFダイエットや糖質制限などの食事療法、それ以外に不足している栄養素などを補うためのサプリメントにあたります。

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治療をしてみてわかったこと
実際に長期に渡り、取り組んできてわかったことはこちら
- ものすごく治療費がかかる
- ものすごく時間がかかる
- 親の負担が大きい
- 治療の効果があるとは限らない
- そもそも、エビデンス(証拠)は、ほぼない
はい。どうでしょうか。
これを見てもやってみたいと思います?
何をしてあげたらいいのか、気になって眠れない夜もあると思うので、解説していきます。
ものすごく治療費がかかる
もしも本当にバイオメディカル治療に片足突っ込む気でいるなら、治療費は相当かかることを覚悟してください。
抽象的な表現じゃわからないですよね。
100万以上
これは、間違いなくかかると思ってください。
わたしの場合、当時はまずネットから検査を頼みましたが、そのあたりから10万は越えてきます。
そこからサプリメントを始めるのですが、サプリメントは処方してくれる病院を探しました。
遠方の病院だったので、ガソリン代・パーキング代なんかもプラスになります。
そこでサプリを処方してもらって、3ヶ月に1回とか行ってたと思うのですが、2万は支払っていました。
こういうのは、孤独な戦いで自分ではよくわからない領域でもあるので、絶対誰かとつながろうとします。
そうすると、もう無限に情報が入ってきて、「うちはこれが効いた」とか「こんな症状がある子はこれがおすすめ」とか、とにかく「あれもやった方がいいんじゃないか」「これもやってみたいな」という思考になっていきます。
そうなると、もう取り返しがつかないくらい沼にハマっていきますよw
それ以外に、食事療法にかかるお金です。
アレルギーの子と対応は同じですが、小麦と乳製品が無理となると、加工品はほぼ食べる物がありません。
アレルギー用だったり、珍しい商品を買うので、どうしても単価が上がり、食費全体が上がっていきます。
渡米したら
もしも、渡米して治療をしたら1回で最低100万以上、その後も治療が続き、1度行って終わりではないため、複数回アメリカに行くことを想定してください。
はい、ウン百万です。
ものすごく時間がかかる
時間もかかります。
今は、検査等代行してくれる病院もありますが、それにしてもみんながみんな近くに病院があるわけではないと思います。
わたしも遠方に通っていたので、それだけで貴重な時間を相当使いました。
それ以外にも、食事を全て除去食で、しかも毎食つくるので食事をつくるだけでも時間がかかります。
そんな生活を何年も続ける覚悟が必要です。
親の負担が大きい
ここまで読んでいただければわかると思うのですが、金銭面でも時間の面でも親の負担は大きいです。
これに加え、持病がある子もいれば、睡眠障害の子もいますし、療育や幼稚園等の負担もあります。
そう考えると、どうでしょうか?
並みの体力じゃ持ちません。
はっきり言って。
それに、代替療法は一般的には知られていないことばかりなので、周りからの圧力というか批判も多いです。
おじいちゃん、おばあちゃんはもちろん、家族内でも意見がわかれるかもしれません。
そういった精神的な部分も含め、親の負担はすごく大きいんです。
治療の効果があるとは限らない
自閉症という障害自体、その症状とか特性は様々ですし、度合いもバラバラです。
そんな中で、誰かが「効果があった」と言っても、自分の子に置き換えて考えると、必ずしも効果が出るとは限りませんよね。
根本に何か医学的な問題があって、そこが検査でわかればピンポイントで治療自体はできるのかもしれません。
でも、これだけ複雑で医学でも原因がわからない以上、ぱっと検査してすぐ原因がわかるなんてありえませんよ。
もちろん、たまたま食事療法でピタっとはまって、上手くいったケースもあると聞きますが、本当に一握りであるということは忘れないでいたいですね。
そもそも、エビデンス(証拠)は、ほぼない
これは、覚えておいてください。
これだけ有名になり、たくさんの病院でも取り扱われるようになっていますが、「エビデンスは、ほぼない」ということ。
上でも書いたように、ピタっとはまって改善したという例はあります。
その、ほんの少しの可能性にかけて、これだけの労力、時間、お金をかけられますか?
お金が湧いてくるような裕福な家庭なら、お金の心配もなく渡米して、負担の大きいことは外注して…で療育等もできるかもしれません。
そんな家庭ならそこにかけてみてもいいと思います。
でも、そんな家庭ばかりじゃないですよね?
うちは一般家庭でしたし、わたしは仕事もありました。
そんな中で、これだけのことをする。というのは相当な負担でした。
まとめ:本当に今すべきことは?
これだけの労力を使って、わずかな可能性にかけるよりも、療育に時間も労力もお金も回した方がいいです。
今のわたしだから言えます。
療育に時間を使って、子どもとの関わりの時間が多い方が絶対いいです。
それで、小さいうちは療育機関に属しながら、親の方が療育の基礎・基本を学んでください。
両親ともに療育的な対応ができるようになれば、その効果は一気に加速します。
子どもの特性や関わり方を、早い段階で理解してあげられれば、親子ともに負担が軽くなりますしね。
まずは親子の絆。まずは、療育。
今の、お子さんが小さいときの時間を大切にしてください。
親子の絆は代替療法の何倍も、いや計り知れないくらい価値のあるものだと思いますよ。
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