特性

自閉症児の自傷・他害をなくすためにできること

障害のある子でもない子でも。
子育てしていく中で一番、頭を抱えてしまうのは自傷や他害があるときではないでしょうか?

わが家の息子は自傷はないものの、他害があるので試行錯誤してきました。
そんな経緯を綴ってみます。

自傷・他害の原因は?

これは今までの記事でも書き続けているように、自閉症や発達障害のお子さんの場合、原因はかなり多岐に渡ると考えてください。

  • 感覚過敏によって苦しい
  • 構ってほしい、注意を引きたい
  • 力の加減ができていないだけ
  • 嫌なことがあって気持ちを消化できない

他にも、その子その子によって原因は様々だと思います。
原因を探れるのは身近で接しているパパ・ママや先生方です。
どんなことが原因なのか…思い当たることはないですか?

氷山モデル

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自閉症・発達障害のお子さんが自傷や他害をしてしまった時、「問題行動」と捉えてしまう方も多いと思います。
ですが、こうした「問題行動」と言われるものに対して、TEACCHでは「氷山モデル」という氷山に例えて考える見方があるのはご存知でしょうか?

氷山モデルとは、その行動を氷山の水面上に出た一角と捉え、その行動の下にはもっと多くの原因が隠れているのですよ、という考え方です。
氷山の一角を押しつぶしても水面下の大きな氷はなくならないように、その「行動」だけに着目してアプローチをかけても行動がなくならないばかりか、他のところで違う問題となって現れるということです。

もっと根本=氷山全体を見てアプローチをしていかないと解決には至らないのです。
だからこそ、その行動の背景にあるものはなんなのか…そこを探っていく必要があるのです。

「行動」に影響を与える2大要因

では、氷山の水面下にあるものを見ていきます。

水面下にあるもの…

障害の特性環境(状況)、この2つの要因が相互に作用しあって水面上へと見えてきます。
2つの要因を見ながら、なぜその「行動」が現れるのか…を考えるのが大切です。
この枠組みの中で行動の予測や環境を操作していくことで適切な支援をしていきたいですね。

基本的な考え方はABAのところでも触れています。

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環境を見直す

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「行動」影響を与える2大要因は障害の特性環境(状況)でした。

わが家の場合、随分前ですが強度行動障害のことでコンサルを受けた際、他害に対して適切な支援をしていくために「環境」を見直すという提案を受けました。

環境というと、部屋の中や物の配置、視覚的支援を思い浮かべる方も多いと思います。
原因がそこにありそうな場合はまず何が原因か探ってみましょう。

わが家の息子の場合は、原因が状況にありました。

「みんなと合わせる」ということに対しての反発。
自閉っ子ですし、知的も重度です。
体もコントロールしきれていない部分も多く同年代の子と比べてしまうとできないことが多いです。

そんな中でも小学校に入りたての頃は「みんなと合わせる」という機会がかなりありました。
日本でいえば、それが「学校」ですし「集団生活を学ぶところ」なんて言われてしまいます。

でも息子にはそれがすごくすごく苦痛だったんですね。
そりゃそうです。
できないことを一緒にらなければいけない、難しいけど頑張って必ずついていかなければいけない、という状況が毎日続けば大人だって嫌になります。

ちょっと難しいことを挑戦させることは必要でも、極端に発達に見合ってないことを強制させては伸びるものも伸びなくなってしまいます。

特別支援学級に在籍していても低学年のうちは特に一緒に行動する場面が多かったです。
今はほとんどの時間を支援学級の教室で介助の先生や担任の先生と過ごしています。

環境を整える

何がその行動の原因になっているのか、その行動が出る予測が立てられたら「環境」を整えていきます。

わが家の場合は「個別の活動」に切り替えることでした。
集団でのコミュニケーション、関わりが必要なのはとてもよくわかります。

でもまだまだ息子の場合は1対1でのコミュニケーション、関わりを強固なものにしていく段階でした。
1対1で安定した生活を維持できて初めて集団での関わりを深めていきます。

無理に集団生活を続けてしまうと他害がひどくなる一方だったと思います。
みんなとの集団登校はすぐにやめ、交流級で過ごす時間も減らしてもらいました。

お互いに気持ちが楽になり、安定したのを覚えています。
今も他の原因で他害が出てしまうことはまだありますが、その都度考えられる原因を洗い出し対応していますが、他害の数が非常に減ったのは言うまでもありません。

二次障害について考える

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息子の場合も「強度行動障害」の部類に入り、これは二次障害だったのかな?と思います。

二次障害とは…
本人の特性に対して周りの理解がなく適切な対応がされないまま、不適切な関わりが続くことで障害とはまた別の二次的な症状が現れること

あのまま「問題行動」としてその行動だけにアプローチしていたら…と考えると恐ろしいです。
本人の安定を一番に考え、環境を整えていくことの大切さを強く感じました。

二次障害は「行動」の部分はもちろん、精神面や体調で現れることもあります。
できるだけ早い段階で、正しく理解し対応していくのがベストです。

わたしも理解しているつもりでした。
でも実際は適切な支援はできていなかったんです。
本当に反省です…

構造化も含め、環境を整えていくとびっくりするくらい安定するんです。
それを多くのパパ・ママに知ってもらいたい。

お子さんが二次障害でさらに苦しむことのないように。

終わりに

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今回の記事ではTEACCHやABAなど色んな角度から適切な支援を考えました。
手法は違っても目指すところは同じ。
言ってしまえば、支援の根っこの部分は同じです。

「子どもに寄り添い、理解すること」

これが全てだと思います。
わたしも間違うこと、間違っていたこと、たくさんあります。
それでも子ども目線で考え、理解することを忘れていなければ大丈夫だと思っています。
人間だから間違うし、間違うことを恐れたら何も変わらないんです。

人生に失敗がないと、人生に失敗する
精神科医・斎藤茂太さんの言葉です。
シンプルだけどその通りだと思います。

大人になっても毎日「安定して過ごせること」を目標に支援を考えていきたいですね。

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うみ
シンプルに心のゆとりを目指す二児の母 「発達障害・自閉症児」の子育て記録